大切な数珠は修理して長く愛用しよう!知っているようで知らない数珠の基礎知識

数珠を持つ女性

どこの家庭にでもある数珠は、日本人になじみの深いアイテムです。個人的に購入することもあれば、祖父母や両親から受け継ぐこともあるでしょう。
ここでは、大切な数珠を修理に出すことを考えている人に向けて、知っておきたい数珠の基礎知識をご紹介します。

日本人になじみの深い数珠

数珠は、葬儀や法事などさまざまなシーンで使用されるアイテムです。仏教が日本に伝わった頃から使用されている数珠には、長い歴史が詰まっています。
現代では形式的に手にしているだけの数珠ですが、元々は念仏を唱えた回数を数えるカウンターとしての役割を持つアイテムです。宗派によって珠の数や房の形は異なりますが、珠を糸でつないで一つの輪にするというスタイルに違いはありません。
数珠は素材によってさまざまな種類があるので、自宅に数珠があるという人は、改めて見てみてください。貴重な素材で作られた数珠や思入れのある数珠は、修理して長く愛用しましょう。

数珠の種類

宗派によって形は異なりますが、基本的に数珠は大きく2種類に分けられます。

本式数珠

本式数珠とは、宗派によって定められた形の数珠を指します。その宗派に属する人だけが使用することを許された数珠は正式数珠とも呼ばれていて、葬儀や法事で見かける一般的な数珠とは異なり、珠の数は108個と多く、首にかけられる長さを持っています。

略式数珠

葬儀や法事でよく見かける数珠が、略式数珠です。宗派に限らず誰でも持てる数珠で、コンパクトなサイズから片手数珠とも呼ばれています。
略式数珠はデザインが豊富で何を選んでも構いませんが、男性用と女性用でサイズが異なるので、購入の際には注意してください。

略式数珠があれば困るようなことはありませんが、自宅の葬儀や法事では本式数珠を使い、知人の葬儀や法事に参列する際には、略式数珠を使うという人もいます。また、年齢に合わせて、若いうちに略式数珠を購入して、年を重ねたら本式数珠を購入するという人もいます。
数珠の使い方に迷った時には、祖父母や両親に相談しましょう。その家の伝統を確認して、必要な数珠を必要なタイミングで購入してください。

数珠の素材

数珠には、さまざまな素材が用いられます。ここでは、基本的な素材をいくつかご紹介します。

木製素材

黒檀や紫檀といった木が、数珠の素材としてよく用いられています。木製の数珠は軽くて手に馴染みやすく、落としても割れないという安心感があります。
安価に手に入るものが多いですが、伽羅のような香木や菩提樹の木の実といった素材は、大変貴重で手に入りにくいものです。自宅に伽羅や菩提樹の数珠があるという人は、安易に手放さずに修理して大切に使ってください。

天然石素材

水晶や琥珀、瑪瑙や翡翠も、数珠の素材として人気が高いです。天然石の魅力は、なんといっても美しいという点にあります。透明感のある涼し気な数珠は見た目に美しく、特に女性からの人気が高いです。
天然石には不思議な力が宿るといわれていたり、石ごとに意味がつけられていたりします。天然石素材の数珠を購入する際には、ぜひ石そのものにも注目してみてください。

その他

木材や天然石の他にも、金や象牙、サンゴといった素材も数珠に用いられます。珍しい素材の数珠はとても貴重で、手に入りにくいというだけでなく、修理も難しいものです。珍しい素材で作られた数珠が壊れてしまったという時には、あまり触らずにすぐに修理に出しましょう。

数珠はメンテナンスをして長く愛用しよう!

数珠は、紐が切れたら縁起が悪いといって捨ててしまう人もいますが、頑丈な数珠が壊れるということは、悪縁を代わりに切ってくれたとも考えられます。身代わりとして自身を守ってくれた数珠を捨ててしまうなんて、非常にもったいないです。
大切な数珠は、専門の業者に依頼して修理してもらいましょう。仏具店に依頼すれば、数珠を修理してもらえます。自宅の側に仏具店がなくとも宅配で依頼することもできるので、数珠の修理を引き受けてくれる仏具店を探してみてください。